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第1回 ISO14001認証取得活動スタート~環境方針~

B社は、来期に向けてISO14001の認証取得を目指す設備メンテナンス会社です。
B社は食品製造業であるA社の子会社として1年前に設立され、全国に数ヶ所あるA社工場設備のメンテナンスの他、関連会社の設備のメンテナンスと設備の入れ替え工事等を請け負っています。

A社所属のSさんは、B社のISO14001システム構築のためのアドバイザーとして毎月1回B社へお手伝いに行くことになりました。
B社の役員N専務と一緒に取り組みます。

今日は最初の打ち合わせ日です。

N専務:
「で、何から始めたらええんや?」

Sさん:
「まずは環境方針を決めていただく必要があります。会社の活動方針とマッチしたものが望ましいので、 社長を含めて相談しましょう。環境方針に含めなければいけない項目が決まっていますので、それを先に抑えることから始めましょう」

N専務:
「ん?その前に環境方針・・・環境って具体的に何のこと?それと方針っていくつ決めんの?」

Sさん:
「会社活動をする以上、資源を使い、ゴミを出し、水も汚せば大気も汚しますよね。それらはすべて環境問題につながる要因となります。
材料も水も空気もそうですが、地球上で資源は限られていますし、汚染の影響はすぐに解決せず将来世代にも引き継がれてしまいますからね。」

N専務:
「・・・環境問題なぁ・・・。」

Sさん:
「ですが、環境への悪影響につながる要因を自社の努力で削減することもできれば、商品開発や技術開発により環境改善という、環境への良い影響につなげることもできるのです。環境方針は、“会社が環境に対して影響を与える活動(悪影響も良い影響も含めて)に対し、どのような方向性や意図を持って対応するか”を経営層が表明するものです。」

Sさん:
「あ、表明するものなので、方針はいくつもいらないですよ。」

N専務:
「環境方針はわかったけど、環境方針の項目は?」

Sさん:
「環境方針に含めなければいけない項目には、

  • 会社の主とする活動(製品、サービス等)は何か
  • 会社活動が環境に与える影響について何をするのか
  • 継続的に改善する事、汚染を予防する事の約束
  • 法令遵守、協定や取引先との取り決め事項の遵守
  • 環境目的、目標の設定とレビューの枠組み
  • 従業員や協力会社等への周知
  • 一般の方への公開
があります。」

N専務:
「レビューの枠組みって、どういう意味?」

Sさん:
「やりっぱなしはダメですよ、ということです。目標を立てたことに対し、実際どうだったのか、何が良かったのか、悪かったら次はどのようにすれば改善できるのか等、“見直し”をする仕組みのことです。」

N専務:
「ふーん。じゃ、協力会社等への周知ってどういうこと?協力会社にも何かやってもらわなあかんのかいな?」

Sさん:
「確かに協力会社は従業員ではないのですが、協力会社の活動もうちの会社活動の一部になりますよね?同じ活動をする以上、うちの方向性を知っていただく必要があります。もちろんお願いしてやってもらえる範囲と協力会社さん任せの部分はありますので、何でもかんでも・・・というわけではありませんが。」

N専務:
「ほんで、一般の方って取引先だけじゃあかんの?」

Sさん:
「一般公開することで社会からの監視を受けるという面があると思います。しかし、会社の取り組みを公表することで会社の宣伝にもつながりますよね。」

N専務:
「約束?遵守?・・・そんなのもしなあかんの?」

Sさん:
「はい、そうです。会社として社長が方針を決定した以上、それは会社として守らなければいけない方針ですよね。 会社として約束できないなら、意味のない環境管理になってしまいますから。」

N専務:
「そらそやな。でも第3者にまでうちの内情をオープンにすんの?企業秘密とか大丈夫かいな?」

Sさん:
「環境方針は、あくまでも会社が環境に取り組む姿勢の枠組みになりますから、企業秘密に触れるような事細かな内容でなくても大丈夫ですよ。 ですが、環境方針は環境管理システム(ISO14001)の原動力とも言えます。基礎となりますので、きっちり考えていただきたいと思います。」

N専務:
「社長は全国飛び回ってるから、帰ってきたら相談しとくわ。急ぐんか?」

Sさん:
「そうですね・・・。それでは、次回の打ち合わせまでに案を考えておいてください。参考イメージとして他社の環境方針を見ても良いと思います。 WEBで公開している会社はたくさんありますから。」

N専務:
「WEBを持ってないところは、どうしてるんやろ?」

Sさん:
「会社の受付に置いて希望者に配布したり、会社案内等に掲載している会社もあります。」

N専務:
「なるほどな。」

Sさん:
「ところで、社長よりN専務が環境管理責任者になるというお話を聞いているのですが?」

N専務:
「そやでー。ISO14001のIの字も知らんのにできるんかいな?」

Sさん:
「環境管理責任者は、環境管理システムを総括するポジションですから、大変だと思います。ですが、会社を熟知した方になっていただかないと 環境管理システムと会社の仕組みが別扱いになる等、カラ回りすることがありますので、やはりN専務でないと・・・!ISO14001の規格について相当勉強していただく事になりますが、私も精一杯お手伝いしますので!」

N専務:
「熟知って言っても、わし就任してから2ヶ月くらいで、現場の者に話聞かんとあんまり知らんからな~。」

「まあええわ、で、環境管理責任者は何をしたらええんかな?」

Sさん:
「それはですね・・・」

(次回へ続く)

環境方針

環境方針は会社が環境に影響を与える活動について、会社がどのような意図や方針で取り組むのかを記しています。
経営層によって正式に表明されたものであり、ISO14001の基礎になります。

ISO14001の流れとしてまずは会社の環境方針を決め、具体的に何の取り組みをするのかを決めます。

※環境方針は環境に特化した会社の方針ですが、会社自身の方向性とマッチしていないと会社にとって重荷になる場合がありますので注意しましょう。

次回は、「環境管理責任者の役割」をテーマに学習します。